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〜ひみつの日〜 第1章 手に入れた穏やかな日常

  • 執筆者の写真: eco
    eco
  • 2020年4月17日
  • 読了時間: 3分

「ひみつっひみつっ!ふんふふん〜!」

花雫がルンルンと鼻唄を唄っている。

「何がひみつなのー?」

と聞くと、

「これはね、口に出すと爆発しちゃうから、ひみつなの。」

と、真顔で返される。

 幼稚園の帰り道はよく不思議なことが起こる。

ある日は空蕾が全く話してくれず、口を膨らましたままなので怒ってるのかな?と思っていると、帰った途端に、

「ぷはー!ぎゅうにゅー、おいしー!」

と、お昼ご飯から口に溜めていたであろう意味深発言があったり、ある日は3人で歩いていると花雫が1人、

「いまね、みどりのちいさいおじさんが、いたー!」

というほん怖案件があったり。

またある日は、どこかでなくしたという花雫の片方の靴を道端で見つけたり…。

なんだか今日もそんな予感がしている。

「ひみつのひ!ヒントは、ふじさんとおひさまです!」

花雫が話し出す。

「ひみつのみ!みつけるためには、うみにいきましょー!」

「なあにそれ?なぞなぞ?」

「ひみつのつ!つきがのぼるまえに、はやくしなきゃ!ふふふ。」

「んー、なんだろうなぁー。」

「ぼく、わかんない。」

「あっ!富士山とお日様と海?花雫、そんなこと知ってるの!?」

「ひみつ〜!」

わたしにはヒントから心当たりがあった。その場で調べると、今日はちょうどダイヤモンド富士が木戸海岸で観測できそうだという。

「花雫!ダイヤモンド富士?なんで知ってたのー?」

「”かん”よ、かん。ふふ。」

「ねーね、へんなのー!」

「こりゃやられたね。すごい!あとで観に行こっか!」

「「うん!!」」

「でも、だい…や…もんど…?なあに、それ?」

「ハナもわかんなーい!」

「えっ!!知らなかったの?どういうことー!富士山のてっぺんにね、夕陽が降りてきてダイヤモンドみたいに光るんだよー!」

どこで情報を手に入れたのか、何をもってひみつだったのか、驚きなことはたくさんあるが、ひとまず今日のネタになるのでヨシとしよう。

「幼稚園の先生に教えてもらったのー?」

「えー、ちがうよ!かん、だってばー!ふってきた!」

「降ってきたか!そっかそっか!」

経緯も表現も、教えたはずのないことが口から飛び出してくる。

 一旦帰宅し、買い物を終えて海に向かうと、すでに大勢の人が集まってカメラを向けていた。

「人いっぱいいるね。お母さん久々に観るよ。」

「すごいねえー!」

レジャーシートを引き、少しばかりのおやつを並べて、持ってきたカメラを三脚に取り付ける。準備OKだ。

しばらくすると周りがざわつき始める。

「花雫、空蕾!もうすぐだよ!よく観ててね。」

2人ともじーっと海の先を見つめる。

ゆっくりと太陽が沈んでいき、そびえ立つ富士山の頂上にピッタリとはまる。

その瞬間に、ダイヤモンド以上に美しい輝きをみせ、感動に包まれた。

「どうだった?すごいでしょ。」

「すごかったー!」

「すごい…なんでおひさまは、じしゃくみたいに、ふじさんにくっついたの…?」

「うーん、これはむつかしいよ。地球と太陽について、帰ったらお父さんに聞いてみよう!」

「うん!!」

 思いがけず手にした感動は、子供たちにも確実に伝わったようだ。

年に何度かしかないこの瞬間を教えてくれた花雫に感謝して、夫に報告することを胸に決めた。



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