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〜羽〜 第1章 手に入れた穏やかな日常

  • 執筆者の写真: eco
    eco
  • 2020年4月20日
  • 読了時間: 5分

花雫が帰り道唄い出す。

「しーろいはねーをもつとーりたちがー♪」

わたしは道端に落ちていた鳥の羽をそっと拾う。

「そーらをじゆーうにとんーでいーますー♪」

拙い唄に、耳を傾ける。

「もーしもわたーしにはねーがあーればーだーれのもとーへとゆくーのでーしょうー♪」

「「誰もがこの世界で生まれくる意味を持っている♪」」

つい間に入ってしまう。

「このーてはーふるえーるだれーかのてをーあたーためーるたーめーにあるーのでしょうー♪」

「おかあさんの、すきなうたでしょ!ハナ、しってるんだー!」

「ふふ。覚えたの?」

「よくながれてるから!ハナも、すきだよ!」

「ソラはわかーんない!」

リリースから20年経った今でも、よく聴いている。

もうかれこれ10年くらいはプレイリストが更新されていないかもしれない。

それくらい、お気に入りの曲だ。

「いまちょうどね、羽を拾ったよ。帰って洗って干して、羽ペンにしてみよー!」

「はねぺんー?かけるの?」

「うんうん、お絵かきできるかも!」

「やったー!」

高校時代、わたしは定時制だったのだが、もっと勉強がしたい!と志願し、面接をして全日制の授業にも参加していた。

ずばり科目は“コミュニケーション技術”だ。

2〜3歳年下の生徒たちと、クラスを同じくして授業を受けていた。

内容は非常にハード。レポートレポートの嵐。

定時制の授業にプラスしているため、全日制の授業は午前中から始まり、空き時間があり、帰りは23時を超えるなどザラだった。

それでも諦めなかったのは、内容が実に興味深いものだったからである。

この授業で1番成果がでたのは、年末に開催される国際障害者デーに向けた作品づくりだった。

テーマは“ユニバーサルデザインな表現”で、好きな詩を使って、どんな障害を持っていても楽しめる作品を作ることだった。

視覚障害も聴覚障害も発達障害も健常者も、すべての人に伝わるものを作ろうと決心した。

そこで出来上がったのが“羽”の歌詞を使った“心で見て心で聴いて心で触れる“そんな作品だ。

当時のメモがある。

[全日課題]

私が選んだ「羽」という歌の歌詞は、「誰もがこの世界で生まれ来る意味を持っている この手は震える誰かの手を温めるためにあるのでしょう」となっています。

「誰もがこの世界で生まれ来る意味を持っている」の部分で思い浮かんだことは、色々な人の心でした。ここにあるハートは人の心を表しています。人はみんな違った心を持っているので、形や大きさは様々という事を、表現してみました。

右上のハートは小さく、ふわふわしているように見えます。が、触ってみると中にトゲのようなものがあります。

右真ん中のハートは少し歪みがあり、鈴がたくさんついていて、触ると音がします。

右下のハートは綺麗な色ですが穴だらけで、触るとボコボコしています。

左上ハートは大きく、表面がモコモコしています。そして、押してみるとガサガサと音がします。

左真ん中のハートは見た目は真っ黒ですが、ここを触ると音がします。輪ゴムで弦を作りました。

左下のハートは真ん中にスイッチがあります。心にオンとオフがあるように、光ったり消えたりします。

「この手は震える誰かの手を温めるためにたるのでしょう」という歌詞をそのまま再現したくて、自分が何かを温められる仕掛けを作りたいと考えていました。

この真ん中のハートはとても冷たいです。でも、手で暖めてあげると、少しずつ体温が伝わっていきます。

震える誰かの手というのをハートに置き換えて、温められる感覚が分かりやすいように作ってみました。

この作品のテーマは人との触れ合いです。

人は、お互い触れ合うことで分かり合い、仲間を築いて行くのだと考えます。

この作品も、触ってみないと音が出ることや感触が変わることに気づかなかったように、人同士も関わらないと、意外な一面を持っていることに気づきません。

人の心に触れるということを、どう表現するか悩んだ結果、このような形になりました。

また、色々な人がいる中で、困っている人に手を差し伸べることが出来るようになってほしいという想いもあります。

そういった、体験ができる作品に仕上がったのではないかと思います。

そのほか工夫点としては、タイトルでもある「羽」を使って、触り心地を良くしてみました。ユニバーサルデザインということで、感触の面白さだけでなく、いろんな色や光などを使うようにしました。ここにある手は、いくつか色を使って肌の色を特定しないようにしました。また、細かいところでは、歌詞に点字とふりがなをつけました。

たくさんの人に楽しんでいただけたら嬉しいです。

[終わり]

(うーん…久々に見ると、説明下手だな…。)

要するに、十人十色な人の心をハートに具現化して、キャラを作っていたんだろう。

今解説するとしたら、

右上はゆるふわな表向きの顔の裏にトゲがある性格。

右真ん中は鈴を鳴らしたように明るくかわいらしいが本心はひねくれている性格。

右下は自分の欠点を上手く活かして綺麗にまとめている性格。

左上は広く優しい心を持っているが心の奥に闇を抱えている性格。

左真ん中は暗く見えて芯のある力強い性格。

左下は心のオンとオフがしっかりしていて仕事がよくできる性格。

真ん中は冷たく硬くなって震えている心。でも人の優しさに触れることによってじわじわと暖まり生まれてきた意味を知る。

こうしてみると、ネガティブな要素が数多く埋め込まれている。

わたしの性格がモロ反映されているからだろうか。

この作品はクラス内でも話題になって、作品展に出されることになった。

その後も何年か校内に掲示され、先生方からも評判が良かった。

嬉しい限りである。

過去の栄光を胸に、もう一度羽を聴くのであった。


奥華子:羽 歌詞


白い羽を持つ鳥たちが

空を自由に飛んでいます

もしも私に羽があれば

誰のもとへと行くのでしょう

青い鱗の魚たちが

群れをなして泳いでいます

足りないものを探すよりも

今あるものを抱きしめたい

光射す方へ行こう 彷徨う旅の道しるべ

誰もがこの世界で

生まれ来る意味を持っている

この手は 震える誰かの手を

温めるためにあるのでしょう

争うことで手にしたもの

分け合うことで無くしたもの

傷つく事ができたのなら

答えはその先に見えるから

急ぎ足じゃなくていいよ

ちゃんと誰かを愛したい

誰もがこの世界で

生まれ来る意味を持っている

飛べない羽は言葉となり

遠くの誰かを包めるから

めぐり逢えるこの世界で

ほほえみ繋いでゆきたい

この手は 震える誰かの手を

温めるためにあるのでしょう

誰もがこの世界で

生まれ来る意味を持っている

この手は 愛する人の手を

温めるためにあるのだから

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