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〜父と池〜 第1章 手に入れた穏やかな日常

  • 執筆者の写真: eco
    eco
  • 2020年4月19日
  • 読了時間: 2分

 春時雨。命をつなぐ大切な雨。

水たまりに降り注げば、カエルの卵の受け皿となる。

そんなカエルたちを見つけては、庭の手造りの小さな池に移していた。

おたまじゃくしの様子を見に行くと、すでに尻尾がなくなってカエルの姿になっていた。

(今年も無事に大きくなって…よかった。)

 数年前池づくりを思い立ったのは、小学生の時に父が、アパートの庭に大きな衣装ケースを使って池を作ってくれたことを思い出したのがキッカケだ。

父は愉快な人だ。手先も器用なので、当時はよくわたしと弟が楽しめるような、遊び心満載なアイデアをたくさん出してくれた。

決して裕福では無かったが、週末になると一緒にお菓子作りをしたり、お裁縫を教えてくれたり、生き物の観察をしに行ったり、わたしの原点はそこにあると言っても過言ではない。

 その中でも、池はわたしの中で印象的な出来事だった。

ある日突然、

「いまから池つくるよ。穴掘ろう。」

と言い出して、本当に作ってしまうなんて誰が思うだろうか。

その方法も、穴を掘って衣装ケースを埋め込み土を入れ水を入れるだけのシンプルなもの。

泥だらけになって手伝ったのを今でも覚えている。

狭い庭が一気に華やかになり、たくさんの生き物の棲み家になった。

カエルやヘビ、トンボやメダカを始め、どこから来たのか自然とカメがいたり、アライグマが洗いにやってきたり、今ではありえない光景で満たされていた。

他にもたくさんの伝説があるが、またの機会に綴ろう。

とにかく、花雫と空蕾にこの経験を伝えたいと考えて思い立ったのだった。

 幸い、思惑通り2人とも喜んでくれた。

最初のうちは、毎朝池の様子を見に行って、

「きょうは、もんだい、ありません!」

と報告してくれた。

今となっては少なくなってしまったものの、1週間に一回くらいのタイミングで、観察をしている。

この間は、タカチホヘビの赤ちゃんがたくさん生まれていた。

日本でも最小クラスのこのヘビは、この家ではそう珍しくない光景だ。

毒も無いので、手に乗せてよく触れ合っている。

体長10センチもない可愛らしい姿に、花雫と空蕾もメロメロだ。

「このこ、なまえはね、ジョニー!」

「ぼくは…たこちゃん!」

「えー!たこ!?ヘビなのにー!?」

「いーのーー!!!」

 まだ午前の光が差し込む。

(幼稚園から帰ってくるまでに、少し綺麗にしておこう。)

池に繁殖した藻を取り除き、掃除をしてからカエルたちに挨拶して部屋に戻った。



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