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〜喜ぶ姿を見たい〜 第1章 手に入れた穏やかな日常

  • 執筆者の写真: eco
    eco
  • 2020年4月7日
  • 読了時間: 3分

 ちくちく縫うのは苦手だ。針に糸を通すことも苦手だ。

器用だと思われがちだが、わたしは大雑把でガサツな方で、細かい作業はなんとか誤魔化して作品を制作していた。

そうして衣装製作を始めて間もない頃、思いつきでホットボンドを使ってみると、なんとまあ簡単にできてしまった。

火傷は付き物だったが、それ以上に快適な道具を手放すことはなかった。

 花雫の髪飾りは複雑な作りをしていたので、実のところ「壊した!」と言われた時はショックだった。

薄いピンクのマーガレットのつまみ細工がはがれ落ち、花びらがグシャグシャになっていた。一つ一つの作り方はそう難しくないのだが、布によってケアが必要で、使った布はアイロンがけしてノリをつけなければ上手く表現できなかった。

というわけで、修復作業は思った以上に手間取りそうだ。

 まずは、マーガレットの花を土台となるトーク帽から取る。ホットボンドで付けているので、温めた所を当ててやるとすんなり取れる。その要領で花びらを取り外し、1枚3cm四方の24枚の布に戻していく。

ここからが大変だ。布についたホットボンドを手でこそげ取る。そして、薄めた洗濯ノリに浸けてから丁寧にアイロンがけをする。このときにホットボンドが残っていると大惨事になるので、時間をかけてでも丁寧に丁寧に…。

 パリッと生地がしっかりとしたら、やっとつまみ細工の制作に入る。

まず、正方形の生地を半分におり三角にする。また半分に折ったものをピンセットでつまみ、両端を反対側に折り込む。花びらの原型ができたら、半分から下を切り落とし、ホットボンドをつければ、ひとひらの完成だ。

これを24回繰り返す。

(〜♪)

アラームだ。いけない、お迎えの時間だ。

熱中しすぎて時間を忘れてしまった。よくあるミスだ。

「りっくん!お迎え!忘れてた!!」

「あ!こんな時間か!僕もわすれてた!ごめんごめん!」

「ううん、ちょっと行ってくるね。」

「大変だから行ってくるよ!代わりに夕飯の支度でもしてて。ゆっくりしててもいいし。」

「でもでも…お迎え分かる?しばらく行ってないでしょう…大丈夫?」

「大丈夫大丈夫!!任せて。」

「ありがとう…!助かる!花雫は二階のいわしさん、空蕾は一階のしらすさんだよ。空蕾の方先に行ってあげて…」

と、お迎えの説明をする。聞いている夫は、なんだか嬉しそうだった。

それには理由がある。夫がお迎えに行くと、子どもたちがはちゃめちゃに喜ぶからだ。

仕事でなかなか行けない日が続いてしまったが、ここぞとばかりに「行きたい!」と言うので、お言葉に甘えることにした。

 全く1人になる時間は、今となってはほとんど無くなって貴重になってしまった。

急にシーンとなった空間をどう過ごすべきか、しばし悩む。

こんな時は…

(そうだ!サプライズしよう!)

(子どもたちが帰ってきたときに、宝探しの地図を渡して、ゲームにしよう。)

(プレゼントは…)

思い立ったが吉日。即行動がモットーだ。

押入れの中から、プレゼントになりそうなものを探す。

と、手紙ボックスが出てきた。

そういえば昔、実母から手紙をもらって嬉しかったことを覚えている。

これだ!手紙を3人に書こう。そして、

(いいこと思いついちゃった♪)

もう一つのアイデアが浮かんだとき、頭の中でピコンっと音が鳴るようだった。

 早速準備に取り掛かる。まずは宝の地図と、クイズカードだ。

パソコンに向かい、自分で描いたメッセージカードのテンプレートの中から適当なものをチョイスする。

(どんな文章にしよう…?)

喜ぶ姿を想像しながら、わたしは急いで作業を進めた。


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