top of page
  • Pinterestの - ブラックサークル
  • ブラ��ックTwitterのアイコン
  • Black Instagram Icon

〜心の結晶〜 第1章 手に入れた穏やかな日常

  • 執筆者の写真: eco
    eco
  • 2020年4月9日
  • 読了時間: 2分

「ソラはね、たんていだんのいちみでね、どろぼうたいじ、したんだよ。」

朝から珍しくおしゃべりな空蕾は、どうやら夢物語の中にいるらしい。

「その、どろぼうね、くしゃみしたら、はなから、てっぽうでてくるんだよ。」

「ふふ、物騒な泥棒さんね。」

朝食の片付けをしながら、自分も夢を思い出す。

「お母さんね、今日は怪獣メガトンと戦ったのよ。」

「やっつけたー?」

「それがねぇ、最後の止めがさせなかったのよ〜。」

「えー!とどめが、させなかったのぉ〜?」

最近、小難しい言葉がブームなようで、3歳児とはいえ侮れない語彙力で喋る。

 空蕾の名言…いや、迷言の中には、

「ソラね、えんぴつだけには、なりたくない。」

「どうして?」

「だって、いろんなひと、もつし…。くすぐったいよ。」

なんて急に言い出したり、ごちそうさまの代わりに、

「これは…ちぇっくめいと、だ。」

とカッコつけてみたり。わたしが笑ってばかりの日々だ。

 一方で、花雫は素朴で純粋な発言をよくする。

「ハエさーん、ごはんおいしい?」

と飛んできたハエと笑顔でおしゃべりしたり、木を見ては、

「こんなにおおきくなってぇ…。」

としみじみと言う。

一緒にいると、2人から学ぶことが多い。

 子どもの頃の感覚は、当たり前だが忘れていく。ずっと同じではいられない。

成長していく中で“忘れる“という工程は大切だと思うが…なんだか切ないような気もする。

わたしがその瞬間に感じていた風景が、1秒毎に更新されて、1日…1ヶ月…半年…1年…と日が経つにつれて、同じ風景の受け取り方が変わってしまう。

幼少期の疑問も、思春期の葛藤も、今となっては思い出せない事の方が多い。

どれもみな、わたしの大切な感情だったのに。

だからこそ、“今“を大事にして生きなければならない。

「そろそろ幼稚園だよー!靴履いてー!」

「「はーい!」」

せめてわたしだけは憶えておこう。2人の心の結晶を。




コメント


  • Pinterestの - ブラックサークル
  • Twitter
  • Instagram
ホームページに登録

送信ありがとうございました

© 2023 by Lovely Little Things. Proudly created with Wix.com

bottom of page