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〜想い遣り〜 第1章 手に入れた穏やかな日常

  • 執筆者の写真: eco
    eco
  • 2020年4月5日
  • 読了時間: 2分

「たっだいま〜!」

「「あー!!おかえりーー!!!」」

「お、おがえり…。」

夫が帰ってきた。子どもたちははしゃいで、クルクルと駆け回っている。

「どしたー!えこちゃん疲れてるねぇ。大丈夫?」

「花雫と空蕾のエネルギーすごいよ…。」

「うんうん、えらいえらい。」

そう言って、自分も仕事で疲れているのに労ってくれる。

「よーし!お母さんお休みモード〜!ピッ!」

背中を指で押され、電源オフ。疲れている時の子どもたちへの合図だ。

なんとなく分かってくれているようで、

「おかあさん、ヨシヨシ。」

と身体をさすってくれる。やさしく、愛情を持って育ってくれて涙が出そうだ。

「ご飯…できてるから食べて…。」

 食卓には、今日の成果が並んでいる。

ご飯、お味噌汁、野草、サラダ、ハンバーグ。どれも趣味で作った手捻りのお皿に盛られて、踊り出しそうな湯気が立っている。

箸にもこだわって、近くの山から木の枝を集めて先を削り、煮沸消毒した後、ひまわり油を塗ったものが置かれている。

「お母さん、よくできました〜花丸っ!」

「はなまるっ!」

「まる!!」

「「「いただきまーす!!」」」

「「「んまーーーーっっっ!!!」」」

手料理をこれだけ美味しそうに食べてくれるのは、作り手にとっては1番の喜びだ。

花丸のかけ声は、わたしが最初に考案したものをいつのまにか夫が取り入れてくれた。今では定番となったが、いつ言われても嬉しい。

「今日は2人ともお手伝いしてくれたんだよ。このつくしとか、ねー。」

「うん!!ハナ、えらいー?」

「おお、2人ともえらいね。美味しいよ。」

花雫は、ふふっと目をぎゅーっと瞑り小首を傾げて笑う。まるで小悪魔のようだ。

「えこちゃん、ごちそうさまして寝てていいよ。後は任せて。」

「ありがと。ごめんね。」

「明日は仕事休みになったから。ゆっくりしよう。」

「うん、わかった。花雫と空蕾、お父さんの言う事ちゃんと聞くんだよ。お母さん先に寝るね。おやすみー!」

「「おやすみなさーい!」」

 寝室で横になると、今日のことが頭を駆け巡る。たったこれだけの1日で、わたしのキャパはオーバーしてしまう。それだけ真剣に子どもと向き合っている、と言えば聞こえはいいが、夫に迷惑をかけているのは間違いない。こんなことでいいのか…。

 夜になった途端、反省会が開かれるのは昔からの癖だ。今日は夫が久々に日曜日出勤で、1人で面倒を見なければならなかった。

大人しい方とはいえ、一度に受けるエネルギーたるや…計り知れない。

隣の部屋で、まだワイワイと騒いでいる3人の声が、だんだん遠のいていく。

みんなに感謝して、今日は眠ろう。考えたって仕方がない!明日また頑張ればいい。

“頑張らない”ことを頑張ろう。

最後はそんなことを思って、意識は次の日に持ち越された。





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